脱毛(エステ)サロンの新規開業/創業融資制度の借入ノウハウ

開業資金を融資で調達できる!?

エステサロン開業だけではありませんが、新たに事業を立ち上げようとする時も、立ち上げた後も経営者は、常に「お金」のことで頭がいっぱいです。

店舗の体裁費用をどう捻出するか?…
美容機器の購入資金はどうするか?…
広告/販促には何かとお金がかかる…
当面の運転資金を確保しておきたい… etc

事業運営には「その時のタイミング」でどうしても自己資金が足りないときに金融機関からの借入を考えます。(だれか出資者(スポンサー)がいれば別ですが…)
事業性に係る融資の場合、個人のローンとは違い、銀行などの金融機関から借り入れるには取引実績や安定した業績など一定の要件があるので容易ではありません。まして、事業をこれから立ち上げる、立ち上げて間もない場合、一層ハードルが高くなると言えます。

しかし!

これはあくまで民間の金融機関で取引(借入)すれば、の話です。それが公的な金融機関や諸制度を利用すると、創業時から融資などの借入調達が出来ることをご存知でしょうか?
その代表格と言えるのが、日本政策金融公庫の創業融資制度です。
この融資制度は、公庫と取引がない方、はじめて利用する方、法人・個人の形態は問いませんので、誰でも取り組みやすい制度になっています。では、その中身を見てみましょう。

日本政策金融公庫の新規開業資金とは

日本政策金融公庫の創業融資制度とは、その名のとおり新たに事業をはじめる方、および事業開始後おおむね7年以内の方に対する融資制度です。
要件にあてはまれば、サロン事業者もその対象になります。
創業時の場合は、新規開業資金新創業融資制度の2つがポピュラーです。

まずは、日本政策金融公庫のホームページから融資制度の概要について一読してください。 そのうえで、当該融資を借り入れするためのポイントをこっそり教えちゃいましょう!

どの融資制度を利用できるか?

創業時に利用できる融資制度は、新規開業資金と新創業融資制度以外にもいくつかありますが、申込相談の時点でどの制度が可能かはあまり気にしなくても大丈夫です。
まずは、最寄りの公庫に出向き、面談したうえで公庫の担当者が丁寧にアドバイスしてもらえます。

どのくらい借入できるか?

では、新規開業にともない融資を受けたい場合、一体いくら借入ができるのか気になるところです。
新創業融資制度の場合、融資限度額は3,000万円(うち運転資金1,500万円)、新規開業資金の場合、融資限度額は7,200万円(うち運転資金4,800万円)となっています。
ただし、これはあくまで「限度額」の話で、実際借入できるかは別問題です。

◆利用者の要件で限度額が縮小される

開業資金にまつわる諸制度を公庫から借入したい場合、原則、申込人に対して一定の要件を設けています。
その一定要件とは次のようなものです。

  • 雇用の創出を伴う事業を始める方
  • 現在お勤めの企業と同じ業種の事業を始める方
  • 産業競争力強化法に定める認定特定創業支援等事業を受けて事業を始める方
  • 民間金融機関と公庫による協調融資を受けて事業を始める方  など

上記の要件に該当していれば問題ありませんが、もし該当していなくても大丈夫です。
借入(融資残高)額1000万円以内であれば、上記の要件を満たすものとして取り扱われます。

◆現実的な借入額とは

そうすると、公庫から開業資金を借り入れるには、1000万円という金額が一つの指標となりそうです。だからと言って、新規で1000万円に近い金額を借入するには、相当ハードルが高いと思ったほうが良いでしょう。

申込人の属性により一概に言えませんが、一般的に言えるのは初回利用による融資限度額は300~700万円くらいが現実的かもしれません。

◆借入額を引き上げるには

それ以上の借入を希望する場合は、融資額に値する有利な材料があるかどうかが決め手となります。 この「有利な材料」とは、主には「収支面を含めた資産の状況」や「担保の差し入れ」などです。

資産とは、預貯金、有価証券など金融資産、その他の動産、不動産など様々なものが対象です。
続いて「担保の差し入れ」は大きく2つです。
一つ目は、「人的担保」、つまりは「連帯保証人の有無」、2つ目は「不動産」です。
公庫の新創業融資制度では原則、無担保・無保証ですが、新規開業資金制度は「相談」となっています。

しかし、これはあくまで「原則」ですので、実際は「代表者個人」の連帯保証を求められるケースはよくあります。 さらに、代表者個人以外に第三者の保証人を付けること条件に加えられることも想定した方が良さそうです。
もし、第三者の連帯保証人が立てられる場合、その方の属性(収支面、資産状況、年齢など)により総合的に加味されます。

もう一つ不動産を担保として差し入れる場合、担保価値に応じて融資限度額や融資承認の可能性も大きく変わってくるはずです。
このあたりも、借入を考える際には、一応視野に入れておいたほうが良いでしょう。

借入審査はどこに目を光らせるか?

融資の可否を審査する際に、いったいどこをポイントにしているか気になります。 簡素化して言い表すと、次の2つの軸を基点に整合性や可能性を見ていると推測されます。

第一軸:「過去~現在」の整合性
第二軸:「現在~将来」の可能性

◆第一軸:「過去~現在」の整合性とは?

まず、第一軸である「過去~現在」の整合性についてお話ししましょう。
これは、借入希望者(申込人)が「これまでどのような人生(生活)たどって現在に至っているか?」を事実ベースで把握するための審査です。

住まい、家族構成、就業履歴はもちろんですが、現在の財務状況(預貯金、収支明細、借入状況など)は目を光らせます。
その裏付けとして、通帳、給与明細や源泉徴収票、借入がある場合の明細や使途など証拠資料の提出が求められます。 特に、借入に関して住宅ローンはもちろん、教育や自動車ローンの他、保有クレカや消費者金融からの借入有無やキャッシング枠などもチェックされます。

ただし、借入チェックはされますが、既存借入があるからと言って、それだけで融資が否決されるわけではありません。 ようは、どのような収入源からどのような使途で支出されているかの整合性が重要だと言うことです。

◆第二軸:「現在~将来」の可能性とは?

続いて、第二の軸である「現在~将来」の可能性について見てみましょう。
現在~将来とは、未来に向けた活動、さしずめ「あなたのこれからの未来予想図はどうようなものか?」です。
第一軸は「事実ベース」でしたが、第二軸は誰もわからない未来を見るわけですから、「実現の可能性」についてチェックされます。
この未来予想図のことを「事業計画」と言います。

この事業計画に公庫が目を光らせる訳は、融資額と貸付利息を確実に回収できるプランでなければ「貸し倒れ(不良債権)」になってしまう恐れがあるからです。
ましてや、事業実績がない創業事業となれば、なおさら目を光らせるのは致し方ありません。 ですから「しっかりと収益が取れる事業計画であること」を訴える必要があるのです。

◆資格の有無が決め手になる?

もう一つ、融資承認の可否に影響されやすい要素をお話しして置きましょう。
それは、「資格の有無」です。

世の中には、資格や検定のたぐいは山ほどありますが、特に「これから行う事業に直結する資格を取得しているか?」も重要な判断材料の一つです。
例えば、不動産業ならば宅地建物取引士という資格、個人タクシー業でしたら普通二種免許、飲食業なら調理師、理美容業であれば各理美容師の資格、と言ったものです。

そもそも、自身が立ち上げる業種で資格がないと事業ができないと言った場合もありますし、だからと言って資格を持っているから即融資OKとはならないにせよ、審査の過程で有利に働くことは間違いありません。

たとえ資格が必須でない業種でも、開業を考える際、自ら行う事業に関連する資格を調べ、事前に取得するなどの対策もアリかと思います。
なお、何らかの資格を持っている場合、その証明(免許証、認定書、許可状など)するものを審査の際に求められるので覚えておきましょう。

事業計画は「ロジック」と「熱意」が重要!

実際に事業計画がしっかり作り込まれていないために、「融資の否認」や「借入希望額の減額」などに繋がるケースも多くあります。 これは非常にもったいない話です。

事業計画書の決まった書式(ひな形)はありませんが、ノウハウやコツを2つお教えします。
一つは「ロジック」、もう一つは「熱意」です。

ロジックとは、「論理的な紐つけ」とでも言いましょうか、「何故、こうなるのか?」と言う計画の筋道がきちんと明示されているかどうかが問われます。

そして熱意は、やはりこれから事業を立ち上げて頑張っていこうとするわけですから、「絶対に成功してみせる!」という気持ちが重要なわけです。
熱意は伝播(でんぱ)する」と言われるように、事業に対する熱い気持ちが公庫の担当者の心を動かす原動力になるのは間違いないと思います。

事業計画の作成ノウハウやコツの詳しい内容については、新規開業/成功するための事業計画はこう考える!をご覧ください。

まとめ

事業性の融資の場合、通常、ある程度の事業実績を重ねながら「黒字経営」をし続けていなければ借入をすることは困難です。
しかし唯一、事業実績がない新規開業時にも使える融資制度を設けているのが日本政策金融公庫です。

「開業から借金を背負いたくない」とお考えの方もいますが、もし、開業してから資金繰りが思うようにいかず借入を考えたとしましょう。
その時は、すでに事業を開始しているわけですから、新規開業時とは違い、財務諸表(損益計算書や貸借対照表など)の提出を求められます。

よく「銀行は雨が降っているときには傘を貸さない」と言われますが、これは本当の話です。 つまり「業績が思わしくない時 →借入したい」は、却下される可能性が大なのです。
一方、開業時は「晴か雨かはこれから決まる」わけで、現時点で少なくても「雨ではない」ことは間違いありません。
このような条件下で申込みできるのは「開業時だけの特典」ですので、これから開業される方でしたら、積極的にトライしたい融資制度かもしれませんね。

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